『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

形から入っても、成功するために必要な1つの思考

私が連載をスタートさせていただいた「原稿生産力を高める仕事術」は、
環境とかモノとか、形から入るってどうなの?
と思ってしまう方には、あまり受け入れられないのかも知れません。
 
それは、私を含め多くの人が形から入って、結局は「途中で挫折し、失敗した」という経験があるからでしょう。
私は、「やれることからやってしまった方が速い」という考えですから、形から入ることも大歓迎です。でも、成功するためには1つだけ、必要な思考があると思っています。
 
 

 

◆なぜ形式から入ると失敗が多いのか

 
世の中には、なんでも形式から入る人がいます。
例えばマラソン。
  ・とりあえず自前のジャージと運動しやすい靴を履いて走り、慣れてきてから服や靴を買い換える。
  ・ベストコンディションで臨むためにと、即座にジャージや靴などを新調して走りはじめる。
双方の良し悪しを評価する目的ではありません。後者が形から入っていることをわかりやすくするための比較です。
 
私が書いた原稿執筆でいえば、
  ・手持ちのパソコンを使って、目の前にある原稿を書き進めていく
  ・原稿を書くための体勢を整えてから、机に向かう
という違いでしょう。
そもそも仕事ですから、締切までに書き上げることが必須なら、後者に時間を取られるのはおろかです。
それでも表題の通り、原稿生産力が高まるから提案している訳です。
 
ただ、形から入る人に多いのは、「すべてをカンペキに揃えてから着手する」ということ。
これをやり過ぎるから、具体的に物事をはじめる時点には力を使い果たしていて、結局はその物事を継続的に取り組むことができなくなります。
これが失敗のメカニズムです。
 
 

◆費やした時間とコストは、成功しないとムダになる

 
形から入る人に必要な思考とは、『形から入るために費やした時間とコストの認識』です。
私もいつもは「どんなことでも意味がある、役立つ」というポジティブシンキングですが、ここだけは「取り組んだ物事に成功しなければ、費やした時間とコストはムダになる!」と厳しい考えをもっておきましょう。
 
先のマラソンの例であれば、
  新調したジャージや靴がある程度ボロボロになるまで使わなければ、ムダだ!
と思って日々走り込むことができれば、走った分だけ成功といえます。

原稿執筆でも、形から入ることで原稿を書き進めるスピードが上がったり、疲労度の違いを感じたりできればムダとはいえませんよね。
 
大事なのは、自分が費やす時間、そしてコストがいかに希少かということ。
人生において時間と使えるお金は無尽蔵とはいえません。
だからこそ、考えたり、動いたりしながら取り組んでいく。そして、それをも楽しんでいく。
そんな生きる姿勢を見つけることこそが、もっと深い意味での成功だとも思います。
 
形から入っていくこの連載、隔週火曜日で残り5回です。
よろしければ、またご一読くださいませ。
 
―残り6年と250日―