『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

「36歳のゴール」に向けて

新サイト「じぶん出版ラボ」の立ち上げ、他社ブログの執筆代行案件などで、半年以上も間、ブログ更新ができなかった。これまでで一番長い休止期間だったが、先日無事に36歳を迎えたということで再開を決めた。
 
さて、誕生日を若干過ぎてしまったが、相応しいエントリを書こうと思う。それは36歳のゴール、つまり1年後の自身がどうなっているかというものである。「未来はわからない」のは当然なのだが、ゴールをイメージしないと成長はないというのも事実なので、「こうなる!」と決めて書くことにした。
 
 

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◆利益を確保し、未来の為にリスクをなくす

いきなり現実的な話だが、この一年の目標は
 
今後10年の事業継続を果たすための「利益確保」とリスクの解消
 
を行うことにした。
 
情けないことに、自身は起業から6年超もの間、利益についてそれほど重要視をしなかった。依頼案件は言い値で受け、自身が提案・営業し獲得した案件も「相手によく見られよう」「信頼を重ねてグロスで利益が出れば良い」と自分で自分を納得させていたと言える。
 
その結果が、「休まず働いても、いつも苦しい」現況となっている。
 
薄利は経営上のリスクとなる。そしてリスクが積み上がれば、負債となり、未来の自身にとっての重しとなる。すでに現時点で、リスクを潰していくことに相当の時間と労力を費やしそうだが、バランスを見ながら薄利の根源を断っていきたい。
 
他方、仕事を創出していく取り組みもまた重要といえる。これまで13年間にわたって腕を磨いてきた執筆力、魅力あるコンテンツに仕立てる編集力を、求めている方々に提供していく機会を増やしたい。そのために今月から具体的にアクションを起こしていくことにした。
 

◆限りある人生の時間をマネジメントする

現時点で大病は患っていないし、終焉が迫っている訳ではない。ただ、「まだ若い」という考えはそろそろ捨てて、人生の時間の質を高めたい。
 
振り返れば、起業当初は「家族とともに過ごせる時間を増やしたい」云々と言っていたはず。だが、それほど甘くないことはすぐにわかり、以来ずっと働いてきた。
 
だが、このまま仕事をしつづけても、その先に幸福が待っているという単純な社会ではない。今の幸せを大切にしなければ、未来にある保証はない。そして、何にしても、欲するなら具体的な行動が不可欠なのだ。
 
たとえば「子どもと遊びたい」となれば、仕事を横に置く時間をつくるべきだ。「家族と過ごしたい」と思うなら、家族で過ごすための環境づくり、気遣いがあって当然だ。それが最近になって、ようやくわかってきた。
 
残念ながら、仕事がら長期案件が多いので、すぐにスタイルは変えることができない。まずは週に1日は仕事から離れる日をつくる、そして日々の労働時間も見直したい。睡眠時間、思索する時間も 少しずつ作っていくことになるだろう。この辺のマネジメントができる状態を、36歳のゴールとしたい。
 
 

新事業の原点は、電子出版の「準備」

本を出版した著者にしか、見えない景色と感覚がある―私自身のことで恐縮ながら、著者としての想いを綴らせていただきます。私が出版したのは2014年8月。金風舎レーベルで、電子書籍版+小ロットの紙本で発刊しました。
 

フリーライターの本では、「売れも、役立ちもしない」

もともと自著を出版することは憧れであり、目標でした。
私は2010年1月から、フリーランスの道を歩みはじめました。それまでは会社員だったこともあり、家族や両親にとっては収入が大きな不安材料に。私もそれは察していて、「せめて自著を出版して、少しでも安心させたい」という思いがありました。また、自分としても「起業」といえるような事業を興していきたいとの想いがあり、それに役立つような本を出そうと考えていたのです。そんな矢先に金風舎さんとの出会いがあり、ブログ記事をもとにした出版企画が持ち上がりました。
 
出版企画は当初、連載ブログだった「原稿生産力を高める仕事術」の内容をもとに、ライターが仕事をする上でのノウハウを綴っていくイメージでした。机の高さがどうだとか、部屋の室温がどうだとかいう内容は、カタチから入る方には面白い情報だったからです。ただ、それだけで本としていくには無理があったので、全体的なテーマを再考することになりました。ちなみに本というのは、「○○について本にしたい」という著者の希望を受け、編集者が第三者また専門的な視点で切り口やストーリーを立案し、世に発信していきます。
 
さて、私がここで悩んだのは、出版後の自分像です。
前職の業界紙記者、そして現職のライターという生き方からして、執筆から離れたくないという強い想いがありました。
ただ、それだけでは家族を養えないという現実がある中で、さらに自身ができること、為すべきことはないかと考え始めたのです。「せっかく出版の話が出てきたのだから、何とかして次に生かせるものにしよう」とも思いました。
そしてもう一つ、企画決定までのやり取りにおいて「執筆の本は売れない」という言葉が編集者からあったのも、印象的でした。「売れも、役立ちもしないなら、切り口を変えよう」―それこそが、新事業の原点になったのです。
 
この後、企画検討→原稿執筆→企画の再検討を経て、自著「経営者・フリーランスのための Amazon Kindle執筆術: コンセプトを磨いて集客に役立てよう!」は無事発刊となりました。実は発刊直後でも、私自身の新事業は明確な状態まで行き着いていませんでした。上の写真でいえば、星を見る方角はわかっているが、どの星を見たら良いかが見えていない状態ですね。

しかし、この出版を通じて編集者と話したこと、それによって気づいたことが様々なヒントとなり、新事業へと結びついていきました。
 

◆著者発掘コンテストの実施で見えてきた事業イメージ

私が尊敬する経営者やコンサルタント、専門家の多くが「動く中で進路を見つける」「人より短期間で多くの失敗をくり返すことで、いち早く成功を見つける」というスタンスをお持ちだからです。私の性格はどちらかというと、それとは真逆。ですが、「何とか現状を動かしたい」「心から面白いと思えるビジネスがしたい」との情熱が勝っていたこと、さらに取り巻く状況が背中を押してくれたこともあり、昨秋から本格的に走りはじめました。

まもなく開催する「著者発掘コンテスト」もその一つ。これ自体は社会貢献事業としても位置づけていますが、何よりも「個人が抱える、まだ形になっていないコンテンツを磨き、発信していく」入口となるイベントです。

そしてこのコンテストに限らず、私はいろいろな形で発信、またさまざまな方とコラボレーションを実現させていくお手伝いをしようと考えています。そこにも「企画を研ぎ澄ます」「ストーリーをつくる」という編集のノウハウが生きていくとも思うのです。
 
こうした、私自身の生き方をも考えさせた「電子出版」。著者発掘コンテストで、また新たなコンテンツとの出会いがあることを心から期待しています。
 
 
 
 
 

著者発掘コンテスト、審査の基準は?

「出版って、どんな基準で決めているの?」
 
3月5日(土)著者発掘コンテストの開催が迫ってきた中、何人かからご質問をいただいています。Facebookのイベントページでは、「応募要件」として列挙していますが、それをクリアした上で「こんな企画なら審査が通るかも?!」というポイントについて、ご説明したいと思います。
 

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◆「価値あるコンテンツを、本の形にして発信する」のがコンテストの主旨

まずはコンテストの主旨を確認しておきましょう。
著者発掘コンテストは、「良い企画でれば、金風舎レーベルで電子出版する」というものです。
著者さんは、
 
①自分で企画を考える
②編集と企画を整えてから、原稿を書く
 
という2つの作業をやれば、あとは金風舎が出版しAmazonで販売できるようにしてくれます。そして、費用も作業負担もこちらで受け持ちます。
私は「著者さんにとって、こんな好条件での出版って、日本じゅうどこを探してもない!」と自負しています。
 
なにより、共催の金風舎さんが「協力するよ!」って言ってくださったから実現できました。
金風舎さんは、「読まれる本をつくる出版社」と掲げられています。そして、実際にこちらのレーベルは、他社が「なんで?」と驚くほど売れる本を出しています。コンテスト発の本も金風舎レーベルから出版するので、「読まれる本」であるための条件が審査基準になります。
 
もう一点。私が必死に動くのは、「100年後にリアルな現代を残す」という事業Missionと「一冊の本で、誰かをハッピーにできる」という理念があるからです。しかし一方で、「誰でも出版できる!」とはしたくありません。価値のあるコンテンツのみ、本の形にして発信しようと考えています。

 

◆ポイント1:コンテンツがオリジナルで、光るものがあるか

まずは企画内容から。
コンテンツという言葉での理解は難しいかも知れませんが、端的にいえば、ご自身が「自信を持って伝えられるもの」ですね。
そして編集者は、そのコンテンツを研ぎ澄まして、読者に刺さるような切り口やストーリーを考える訳です。
 
そんなコンテンツなので、「自分以外の誰かが語れる」ものでもダメですし、「特定の誰かが不幸になる」ことがあってはなりません。幅広い層にウケる内容ではなくとも、目にした誰かにとってキラリと光る内容であれば、それは「良い企画」といえます。
 
オリジナリティについて、現代はあらゆる情報が氾濫しているので、厳密に「誰も発信していない」というのは難しいでしょう。でも、そこに自身の考えや経験、ノウハウがあれば、それも新しいコンテンツといえるでしょう、
 

◆ポイント2:著者自身が「コンテンツを具体的に発信する」かどうか

私はこれまで30冊以上の本を編集してきましたが、著者さんの中には「本を出版できた!」と満足して終わる方もいらっしゃいます。
 
著者発掘コンテスト発の電子書籍は、そうであって欲しくない。
本にするのがゴールではなく「活用して、コンテンツを発信する」というのがキモです。そうでなければ、私が理念に掲げている「ハッピーにする誰か」に届かないまま埋没するからです。一方で金風舎レーベルの本は、著者さんのニーズや売れ行きにあわせてPOD(プリント・オン・デマンド、有料)も対応していただけますし、私個人も発信を後押しできるような提案をさせていただきます。
 

◆ポイント3:著者の熱意&行動力

著者発掘コンテストでは、出版企画を審査するものですが、さらに「当日ご参加いただいてプレゼンをお願いする」ことにしています。
 
一般的に出版社は「出版企画書」で判断しています。それを前提として、いろんな方が「出版企画書セミナー」を開催されている訳ですね。これに対して著者発掘コンテストでは、人物も重視しています。これは著者自身の熱意、またそのバックにある苦労や体験というものが、原稿ににじみ出てくるからです。事実とその時の感情に肉迫した文章こそ、人を感動させられるものでしょう。だから、短時間ではありますがプレゼンの姿から人柄を知ろうと考えています。
 
そしてもう一点は、行動力です。
実際に出版が決まっても、原稿を書き上げるには相当の労力と時間を要します。私のような「原稿を書くのが仕事」というなら話は変わりますが、そうでなければ日々の仕事や生活をしながら原稿を書くことになるので、やはりある程度はアクティブであるというか、実際に行動できる人でなければ著者になれないと考えています。
 
ちなみにコンテストの審査通過者でも、出版決定後から一定期間で原稿を書き上げなければ無効にすることをお伝えしています。
一番心が燃え上がっているときに書き、さらに冷静かつ客観的に原稿を見直して出版する。
それが大事だと思うのです。
 
 
さて、以上のポイントをご参考いただき、ぜひ著者発掘コンテストへご参加ください。
企画書の作成が不安な方には、「作成準備シート」もご用意しています。また、当日お越しいただき、第1部のセミナーを聞いてから後日に提出いただくことも可能です。お問い合わせはこちらまでどうぞ。
 
 
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