『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

職業ライターとして働く方法

私の周りでは、就職できないまま大学を卒業した後輩が何人かいます。
事情はさまざまあるようですが、
景気の動向にかかわらず、就職せずに4月を迎えた人も少なくないでしょうね。
 
とはいえ、実家で親に養ってもらえるほどの余裕もないそうで、
とりあえずは在学時のアルバイトを継続することが決まっています。
本人もなかなか忙しいようで、私はまだ会えていませんが、
近いうちに話を聞いて、場合によっては職業ライターになる方法を話そうと思っています。
 
ライターといえば、収入や境遇についての悲観的な情報がネット上では目立ちます。
これがすべてではないものの、多くのライターは楽な暮らしをしていませんし、
私自身もずいぶん苦しい時期がつづきました。
 
ただ、これは書く媒体や業界によっても大きく異なりますし、
人脈や運といったものにも大きく影響されます。
少なくとも、現在の私は家族を養っていますから生業にすることはできる訳です。
 
もう一つ、業界自体は不況ですが、
社会においてはきちんと物を書ける人が少ないようで、私のもとには多くの相談が寄せられます。
だから、ネット上の悲観的な情報はともかく、今後については明るい見通しを持っています。

そんなこともあって、後輩にはライターになることを提示しようと思うのです。
今回は実際に職業ライターとして働く方法をまとめてみました。

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◆応募:雑誌なら編プロ、ウェブなら運営会社へ問い合わせをしてみよう

 
私は書籍を多く手がけていますが、経験や実績がない状態で長文や専門性の高い原稿を書くことはほぼ不可能です。
まずはは雑誌orウェブのライティングから経験を積んでいくのが一般的。私も雑誌からライター人生をスタートさせました。
 
基本的には、ある程度意味の通じる文章を書く力がなければ、お仕事はもらえません。
ただ、自分でブログを持ち、毎日コツコツと投稿しているような方であれば、
おそらく、ある程度のクオリティは確保できていると思うので、挑戦してみる価値はあると思います。
 
雑誌であれば、販売元が○○出版社となっていると思いますが、
多くの場合は、この販売元の会社内にある編集部と編集プロダクション(またはフリーの編集さん)がページを分担して
雑誌制作を行っています。

編集プロダクションは複数の会社から、幅広いジャンルの仕事を受託しているので、
当然ながらライターが必要です。
 
規模の大小によって、初心者でも受け入れてもらえるかどうかはわかりませんが、
雑務も含め、下積みのつもりでなら仕事をさせてもらえるかも知れません。
ライターの基本である取材&原稿執筆だけでなく、
編集や外部業者とのつながり等、学ぶことは非常に多いので私はおすすめしています。
 
ウェブであれば、いわゆる情報サイトでライターを募集しているケースが多くあります。
私の場合はIT系の記事執筆に興味があり、ちょうどローンチするタイミングで情報サイトに応募、
そのサイトはTABROIDさんなのですが、運良くライターとして採用していただくことができました。
 
こうした形で、好きで興味がある分野というだけでも、挑戦することが大切です。
よく訪れているサイト、趣味の範囲でも様々な情報を知っている分野のサイトであれば、
運営会社も説明しやすいと思います。
「今、ライター募集していませんか」とメールを送るだけでもいいですから、
自分から行動を起こすことが、大きな第一歩です。
 
 

◆紹介、ブログ、SNS・・・いろんな第一歩がある

 
先に紹介したのは、いわば王道的な方法といえるでしょう。
これは昔も今も、そして数年後も方法としては変わらないと思います。
 
これ以外に考えられる「ライターとして働く第一歩」について考えてみましょう。
 
まずは人脈を通じた紹介です。
はっきり言って、これ以上確実な方法はありません。
 
知人または友だちの友だちレベルで編集やライターと会えるのであれば、
時間を作ってもらって、じっくり話を聞いてみましょう。
私の場合もそうですが、基本的にライターは不足気味なので、
簡単な仕事からはじめて、作業を覚えつつ仕事をするということができるかも知れません。
 
また、紹介の連鎖によって編集やライターにたどり着けることもあります。
どんな仕事においても人脈が重要ですから、いろんな人に声をかけておくというのがポイントでしょう。
 
また、いろんな人への声かけという点では、
ブログやSNSに自分の意思を綴っておくということも有用な手段でしょう。
読者の方、また偶然目に止まった方からの問い合わせや紹介ということも期待できます。
 
実績や経験もない段階でライターを名乗り、仕事をしてしまうようなことはNGですが、
ある程度慣れてくれば、ブログやSNSを経由して飛び込んでくる仕事にも対応できるでしょう。
それまでは焦らず、じっくりと仕事を覚えていくことです。
 
こちらも人脈が重要になりますが、直接的に金銭が関係するようなビジネスではないため、
紹介してもらうことも、そう難しくはありません。勇気を出してコンタクトを取ってみてはいかがでしょうか。
 

クラウドソーシングは、「実績作り」にとどめる

 
最近ではすっかり知名度を得たクラウドソーシングですが、
ライティングに関しては、単価があまりに安く、私としてはおすすめしません。
 
ただ、ライターとしての実績作りとして
割り切って仕事をするということも、考え方によってはあり得るかと思います。
 
ここで得られる人脈については、職業ライターとして関わる世界とは少し違うので、
2014年の現段階では、あまり重視する必要はありません。
どちらかというと、まずは先に挙げた雑誌やウェブなどの仕事に力点を置き、
経験を積んでから、特定の専門分野や進みたい方向へ仕事の幅を広げる方が良いでしょう。
 
 
以上、ザッとまとめてみました。ライターをやろうとお考えの方は、ご参考まで。
 
―残り6年と185日―