『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

『書く』だけじゃない、ライターの仕事 ~ウェブ記事編~

ライターのお仕事、連載第2回目は「ウェブサイトの記事」編です。
 
前回の雑誌と同様に、取材→書くという流れは変わりませんが、
やはりウェブ独特の細かな作業があります。
そしてこちらも発注者、つまりウェブ制作会社によって作業内容は様々ですので
一例として、私がやらせていただいている過去案件をもとに書いておきます。

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◆ライターの経験&実績が、ページの質を左右することも

ライターの実績とページの関係を書く前に、まずは作業内容から。
1,制作会社との打ち合わせ(場合によってはコンペ企画会議に出席)
2,関係業界・分野に関する事前の資料収集学習
3,取材
4,掲載内容について打ち合わせ
5,記事作稿、必要資料の収集
6,制作会社、サイト運営会社、取材先へ初校提出・修正反映
7,掲載
 
雑誌編と比較すればよくわかりますが、「打ち合わせ」の回数が多いのが特徴かと。
ウェブページは、ある程度サイト全体の質感に沿うことが必要ですが、
それでも自由度が高いので、
具体的な内容が決まってくるにつれ、レイアウトやデザインが見えてくるもの。
これを工程毎に各担当と確認して進めることで、
公開前の大幅な修正や変更を回避することができます。
 
この打ち合わせにおいて、ライターの経験&実績が重要だと私個人としては感じています。
・ライター自身がどれだけウェブページを見ているか。
・実際に、どんなページで記事を書いてきたか。
・いわゆるトレンド的なデザイン・構成は何か。
上記の事を知らずとも、記事を書く事はできますが、
打ち合わせ時に、これまでの経験をもとに語ったり、読者の立場にたって意見したりすることができれば
さらに質の高いページを仕上げることができると思うのです。
 
私は様々な分野のウェブページで記事を書いてきましたが、
打ち合わせに同席する度に、「以前にコレやってて良かったな」と実感することが多いです。
 
 

◆「ウェブで書く」からこそ、注意すべきこと

 
メディアの特性にあわせて書き分ける能力も、ライターによっては重要です。
私としては、下記の3点に注意しながら記事を書いています。
・文章はできる限り簡潔に書き、文字数をできるかぎり抑える
・テーマに関連するフレーズ、リンクが貼れそうなキーワードを不自然にならない程度で多用する
・表現技巧よりも、視覚的に伝わる表現を優先する
 
3点目については、「しい」「しい」「感動的な」のように、
文章を読まずとも、目に入ってくる文字だけでイメージがわくような単語を使うことです。
巧みに表現しようとすれば、場合によって
「古くはない」「ご機嫌」「心が動く」などと言ったりしますが、ウェブでは直接的に表現した方がいいかと。
 
表記については、基本的に新聞や雑誌に準じていますし、それで困ることもありません。
ただ、サイトや発注元企業の慣習で
送り仮名の使い方が間違って統一していたり、やたらと「」を多用したりと、それぞれのルールがあります。
これにはこだわっても仕方ないので、素直に受け止め、修正しておきましょう。
そして、修正自体が多いのもウェブの特徴なので、
初校で多数の修正が入っても、あまり気にせず仕事を進めたいものです。
 
―残り6年と345日―