『書く』だけじゃない、ライターの仕事 ~雑誌編~
ブログの趣旨として「現代におけるライターの生態」を書こうと考えておきながら
目まぐるしく変化する毎日に、すっかり失念しておりました。
この辺も、毎金曜日に連載っぽく書いていこうと思います。
(画像:プロ・フォト)
◆細々とした作業が多い雑誌の仕事
コンビニや書店に並ぶ雑誌は、書籍と同じく出版社が出していて、
その社内には編集部が置かれています。
が、実際に制作するのもすべて編集部という訳ではなく、
編集プロダクション(編プロ)やフリーの編集さんに、
企画またはページごとに丸ごと依頼するケースが多いです。
ライターはこうした編プロやフリーの編集者から依頼を受けますが、
経験年数が長く、文章にも独特の味がある方なんかは、編集部からの直接依頼で書かれていますね。
さて、こうして依頼を受けたライターの仕事を順に挙げると、
- 取材先へ電話をしてアポイントを入れる
- (以前に使った写真を使う場合)掲載許可、写真借用のお願いを電話でする
- 企画書を作成し、先方へ送る
- カメラマンの手配
- 取材(現地または電話)
- (カメラマンの撮影点数が多い場合)掲載する画像の整理作業
- ページデザインに沿って原稿執筆
- 原稿が入った状態のゲラを校正してもらうため、先方に送る作業
- 校正の確認、修正の反映作業
- 再校の確認
という流れ、そして作業があります。
見ても分かるとおり、『書く』以外にやる作業数は多く、
時間にしても、原稿を書く時間は全体のうち、わずかです。
これら作業には、実はちょっとしたコツもあって、
電話1本、送る企画書1枚にも、中身次第で相手の印象が大きく変わるものです。
これらを1人だけで学ぶことはできませんから、
個人的には、駆け出しの間に編プロさんで下働きなんかをしつつ、
仕事の中身とともに覚えていくことを、後輩には薦めています。
◆雑誌、地域、編集さんによって作業はいろいろ
ここまでに書いた作業とその流れは、雑誌によってずいぶん異なります。
上記はあくまで、私がよくお仕事をさせていただいているパターンです。
あと、地域差もあります。
私は東京の編プロさんともお仕事をさせていただきましたが、
上記でいえば、1~4と6、8~10は編集さんがやってくださいました。
聞けば「東京はここまで(編集が)やらないとライターさんが仕事してくれない」って話が・・・
それならぜひ、
何でも器用にこなす大阪のライターへ仕事を回してもらえれば幸いです。
また、編集さんによっても作業内容や流れは変わります。
ライターの得手/不得手、性格、普段やっている仕事の中身などを
ガッチリ理解している編集さんなんかは、
「校正作業はこっちで引き受けるよ~」「掲載許可だけお願い!」と
上手にライターを使ってくれます。
それで、こちらに負担が生じる時もありますが、
安心感をもって仕事ができるので、ライターとしてはありがたい存在です。
ほか、特徴としては「入稿が急ぎになる」事も多いです。
これは全体スケジュールの遅延だったり、担当するページの順序だったりで
どうしても発生してしまうことです。
これは仕方ない部分もあると思うので、それも見越して仕事を進めておくのが
ライターとして機転を利かせるところではないかと。
私としては、以前に比べて雑誌の仕事自体は減らしていますが、
逆にいい編集さんとは、機会がある限りガッチリやらせていただきたいなと
思っています。
あとは、自分が得意とする長文、40代以上の方が好まれそうな雰囲気の文章を
より多く提供できるよう
上手にマッチングさせながら、仕事ができればと考えています。
-残り6年と359日-