『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

『書く』だけじゃない、ライターの仕事 ~雑誌編~

ブログの趣旨として「現代におけるライターの生態」を書こうと考えておきながら
目まぐるしく変化する毎日に、すっかり失念しておりました。
この辺も、毎金曜日に連載っぽく書いていこうと思います。

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(画像:プロ・フォト)
 

◆細々とした作業が多い雑誌の仕事

コンビニや書店に並ぶ雑誌は、書籍と同じく出版社が出していて、
その社内には編集部が置かれています。
が、実際に制作するのもすべて編集部という訳ではなく、
編集プロダクション(編プロ)フリーの編集さんに、
企画またはページごとに丸ごと依頼するケースが多いです。
 
ライターはこうした編プロやフリーの編集者から依頼を受けますが、
経験年数が長く、文章にも独特の味がある方なんかは、編集部からの直接依頼で書かれていますね。
 
さて、こうして依頼を受けたライターの仕事を順に挙げると、
  1. 取材先へ電話をしてアポイントを入れる
  2. (以前に使った写真を使う場合)掲載許可、写真借用のお願いを電話でする
  3. 企画書を作成し、先方へ送る
  4. カメラマンの手配
  5. 取材(現地または電話)
  6. (カメラマンの撮影点数が多い場合)掲載する画像の整理作業
  7. ページデザインに沿って原稿執筆
  8. 原稿が入った状態のゲラを校正してもらうため、先方に送る作業
  9. 校正の確認、修正の反映作業
  10. 再校の確認
という流れ、そして作業があります。
見ても分かるとおり、『書く』以外にやる作業数は多く、
時間にしても、原稿を書く時間は全体のうち、わずかです。
 
これら作業には、実はちょっとしたコツもあって、
電話1本送る企画書1枚にも、中身次第で相手の印象が大きく変わるものです。
これらを1人だけで学ぶことはできませんから、
個人的には、駆け出しの間に編プロさんで下働きなんかをしつつ、
仕事の中身とともに覚えていくことを、後輩には薦めています。
 
 

◆雑誌、地域、編集さんによって作業はいろいろ

 
ここまでに書いた作業とその流れは、雑誌によってずいぶん異なります。
上記はあくまで、私がよくお仕事をさせていただいているパターンです。
 
あと、地域差もあります。
私は東京の編プロさんともお仕事をさせていただきましたが、
上記でいえば、1~4と6、8~10は編集さんがやってくださいました。
聞けば「東京はここまで(編集が)やらないとライターさんが仕事してくれない」って話が・・・
それならぜひ、
何でも器用にこなす大阪のライターへ仕事を回してもらえれば幸いです。
 
また、編集さんによっても作業内容や流れは変わります。
ライターの得手/不得手、性格、普段やっている仕事の中身などを
ガッチリ理解している編集さんなんかは、
「校正作業はこっちで引き受けるよ~」「掲載許可だけお願い!」と
上手にライターを使ってくれます。
それで、こちらに負担が生じる時もありますが、
安心感をもって仕事ができるので、ライターとしてはありがたい存在です。
 
ほか、特徴としては「入稿が急ぎになる」事も多いです。
これは全体スケジュールの遅延だったり、担当するページの順序だったりで
どうしても発生してしまうことです。
これは仕方ない部分もあると思うので、それも見越して仕事を進めておくのが
ライターとして機転を利かせるところではないかと。
 
私としては、以前に比べて雑誌の仕事自体は減らしていますが、
逆にいい編集さんとは、機会がある限りガッチリやらせていただきたいなと
思っています。
あとは、自分が得意とする長文、40代以上の方が好まれそうな雰囲気の文章を
より多く提供できるよう
上手にマッチングさせながら、仕事ができればと考えています。
 
-残り6年と359日-