『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

PW03:好きです!『拡充』ってコトバ。

前回の『実行』と『断行』の違いにつづき、
使い分けシリーズ第2弾です。

「景気を回復させる為の施策を拡充してまいります!」
この『拡充』って言葉、政治の分野ではみんな大好きです。
何より、字面がイイ!
だって、イメージもそのまま「拡大」「充実」ですから。
とにかくココ一番の政策では、必ず拡充って言葉が入っています。

さて、そうはいっても、
前回の『断行』と同様に、なんでも使えばいいというものではありません。
政策や公約、プロジェクトなど文章の1カテゴリーにつき、
基本的には1回使用が望ましいでしょう。
そうなると、つまりは類似する言葉をいくつ知っているかが問われる訳です。


まず、意味を押えておきましょう。大辞林では
拡充=設備・組織などをひろげ、充実させること。
となっています。


あとは、目で見る&耳で聞くイメージですが、
目で見るのは、冒頭の通り◎の評価です。

一方で、耳で聞くのがちょっと問題かな、と思いました。
考えてみてください。みなさんのまわりで
拡充って言葉を普段遣いしている人っています?
私は出会ったことがありません。
なので、職種や年代によっては、使うシーンを選ぶ言葉といえますね。

そして最後に、類語をご紹介。
類語辞典などを調べると、出てくる言葉は
拡大、拡張、(手を)広げるなどでしょう。

それだけだと能がないので、
政治分野の文章で、意味合いが「同じ」または「近い」ものを
考えてみましょう。

例えば、冒頭に挙げた
「景気を回復させる為の施策を拡充してまいります!」
という意味から考えてみると、

拡大=景気を回復させる為の取り組みを拡大させてまいります!
整備=景気を回復させる為の法律・体制を整備してまいります!
多角度=景気を回復させる為、多角度から施策を実現してまいります!

など、ちょっとした表現・言い回しを変えることで
いろいろな言葉が代用できます。

くり返しますが、

・使う言葉は基本的に1回。
・多用=価値を下げる

ということだけは、覚えておきたいですね。

 

■まとめ
拡充=イメージも意味も「拡大」+「充実」で字面も◎
類語としては、拡大・整備・多角度など。ただし、表現を変えることが必須。

 

-残り7年と238日-