『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

PW02:『実行』と『断行』、どう違う?

「私は、△△の仕組みをつくり、必ず実行します!」

「ムダをなくすための改革を断行します!」

この『実行』『断行』は、政策などでよく使う言葉です。
政治の世界では、こうしたよく似た言葉の使い分けも大切なので、
ちょっと解説を。

まず、辞書を引いて意味を比較してみましょう。
大辞林では、
実行=実際に行うこと。
断行=無理や困難を押して物事を行うこと。
意味の比較では、断行の方が重みがある感じがありますね。

ただ、だからといって断行ばかり使うと、言葉の重みが損なわれますよね。
だからこそ、両方使うことが大事であり、使い分ける必要があります。


また、政策は

  • 文章にして、紙やwebで情報発信する
  • 候補者などが口にして言葉で伝える

と両シーンで使える言葉にしておきたいもの。
そうした点を踏まえて考えてみましょう。


まず目で見る部分、つまり漢字から浮かぶイメージから。

実行=物事が実る、バラバラのものが一つになってできるようになる
そんなイメージでしょうか。
また、断行のような重みはなくとも、スピード感がありそうです。

断行=悪を断つ、決断するといった言葉が浮かびます。
思い切ってやる!モヤモヤ感を打開する!
といったイメージにつながりそうです。

次に耳で聞くということ、つまり言葉の響きで考えましょう。
言葉を発するのはとても瞬間的なものですが、
やはり第1文字目が印象を左右すると私は思っています。
実行は「じ」=
断行は「だ」=
だと、
「あ」の方が声がハッキリ響きますし、演説では力強さにつながります。
でも、指を1本前に立てながら「実行します」と言えば、
潔く約束を守る感じがありますね。

こうした点を踏まえて、使い分けをしてみましょう。

 

■まとめ
実行=スピード感、物事が実るイメージ
断行=悪い状態・ハッキリしない状態を良くする、思い切ってやる

―残り7年と243日―