『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

新規事業を見直しさせた2つの言葉

私はこの2カ月半あまり、新しい事業の準備をすすめてきました。
取材から出版までをワンストップ展開する「ミニ出版支援サービス」です。

この事業を深化させようと幅広い業種の方々と出会う中、
「そうか、これは事業の見直しが必要だ」と思った2つの言葉がありました。
今回は、この言葉をご紹介します。

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◆「いまのビジネスは、垂直ではない。水平展開」


これは、誰もが知っているベストセラーを何冊も世に送り出してきた
書籍専門プロダクションの社長様の言葉です。

製造業であれば、原材料の製造から販売まで、
この出版であれば、原稿作成から製本まで。
いわゆる川上から川下への垂直展開ですね。
会社として大きくなってこそできることでもあり、
この垂直展開は、経営者ならめざしたいところだと思います。

しかし、この一言をいただいた社長様は、
出版業界の現状を丁寧に説明いただいた上で、
各工程で専門性をもつ集団の優位性を語られました。
ライターであれば
取材する」、「書く」のが専門であり、
これを極めていった方がいいのでは、と。

確かに自身のワークスタイルを見つめ直すと、
分業して他社に外注したり、逆に分業した一工程を請け負うことも多い。
恥ずかしながら、私はこの言葉を聞いて、ようやく気づかされました。


◆「アナログはアナログで攻めるべし」

 
これは、以前から仲良くしていただいている
書評ブロガー(最近は育児?)さんとの会話から。

いわゆる「本を出したい」というニーズの具体的なイメージは
紙に印刷され、製本された書籍(=アナログ)
であり、これを実現させたいターゲットは
やはりアナログな方法でPRしていかないとマッチングしない
ということです。

新規事業は、著者自身が歩んできた人生ストーリーを、
コンパクトにまとめて出版するサービス。
  • 市井にある庶民の歴史を後世に残したい
  • 誰もが出版できる社会にしたい
という、ソーシャルビジネス的な視点もあって事業化に取り組んできました。

とはいえ、アナログなPR方法ではコストも高くつくため、
個人でやるにはネットを使うしかないなと考えていたんです。
その矛盾は、結構悩みの種でした。

その悩みは解消できていませんが、
特定の業種との提携・コラボレーションを模索しようと思いました。

「ニーズや目的を幅広くカバーできるサービス設計」をやめて、
「ニーズや目的ごとにサービス展開する」ようにしようと考え直しました。
また、どこまでも体裁にとらわれることなく、
「真に多くの人が読み、感動できる出版物」になるよう
支援サービスを展開しようと考えをあらためました。
 
「自分の考えだけで進むと、必ず失敗する」。
経験に基づいた自身への指針は、今回も間違えていなかったようです。
今度はよりエッジの効いた
自分にしかできないサービス体制へと見直しを図り、
少し延びますが、秋のサービス開始に向けて取り組みたいと思います。

―残り7年と106日―