『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

『掲載実績』に加えるべき原稿?

きっと、10年後には意味のわからない言葉になっているでしょうが、
今日の私は、「激おこぷんぷん丸」です!

とある納品原稿が、修正を経て公開されたのですが、
自分とは違う人が手を加えているため、細かなミスが。
また、内容も大幅に変えられてしまい、
読者からすれば、ちょっとした感動エピソードも削除されることに。
本当に、とってもとっても残念です。

まあ、クライアント次第のところなので仕方ありませんが、
気づいたことが一つ。それがタイトルにある加えるべき原稿です。

 ◆提示する掲載実績の選び方とは?

営業や初顔合わせの際に、必要となるのが「掲載実績」。
実際に誌面やweb上で掲載されたページのことです。

これを相手に見せることで、

  1. こうしたテイストの原稿が書ける
  2. 実際にこうした媒体に掲載できるクオリティの原稿を作成できる
  3. こういった媒体と仕事上のコネクションがある

などを理解してもらう、大切な資料です。

さて、そうした掲載実績ですから、選ぶポイントは

  • 誰もが知っている有名雑誌、サイトに掲載されたページ
  • 著名人を取材した原稿の掲載ページ
  • 自分が得意とする分野の媒体に掲載されたページ

といったところでしょうか。

私が今回提案したいのは、そうした掲載実績に
「自分自身が誇れるクオリティの原稿」
を加えること。それが冒頭の話につながってきます。

 

◆自分で書き、校正し、もう一度修正する「全力の原稿」

なぜ「自分自身が誇れるクオリティの原稿」を提示するのか。
それは、自分自身が時間をかけて仕上げた「全力の原稿」だからです。

雑誌の誌面やweb上で、最終的に公開される文章というものは、
基本的に編集や発注したクライアントの決裁を経ています。
つまり、ライターが「これでカンペキ!」と納品した原稿に、
必要に応じて手を加えていく訳です。

これは大事な作業ではありますが、
大抵の場合、ライターの本意とはかけ離れてしまうもの。
さらに決裁者が多い場合などは、
いろいろな方の意図が入り込んでしまって、
考え抜いて練り込んだ文章技巧表現言い回しすべて台無しになる。
極論をいえば、そうなってしまうのです。
(いつもお世話になっている編集さん、偉そうにいってゴメンナサイ)

また、逆に考えてみましょう。
自分が仕上げた原稿に手が加わり、すばらしく良くなった掲載実績ならば
それを見た方は、「きっと同じクオリティの原稿が期待できる」と思うのが自然です。
でも、あなた一人の力ではないので、その期待に応えることは難しい
そうした意味においても、自分で仕上げた原稿を見せておく意義があるのです。

いうまでもなく、仕事においては
自分が関わるすべての制作物が「全力の原稿」ではありますが、
それを心がけた上で、定期的に渾身の力作を作り上げる習慣をつけておけば、
自身の腕をさらに高めることにも、きっとつながっていくと思います。

-残り7年と160日-