『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

PW06:『外見は偉そうだけど、中身は素朴』に見せる文章術

「私は△△を必ずやります!」
「皆様のために、走り抜いて参ります
「学生時代は××のような苦しい想いもさせていただきました
「何とかしたい、この気持ちは本物です!」
「本当にありがとうございます

小学校の国語の授業で習ったと思いますが、
日本語の文章は『常体』(普通体)『敬体』(丁寧体)という
2種類に分けられます。
政治分野では、おカタいイメージ通り常体が多いですが
政治家さんや候補者さんについては、
庶民的なイメージが大切ですから、常体を避けて敬体を多用します。

冒頭に挙げた5つは、政治家さんがよく使う文章ですが、
いずれも敬体であることは一目でわかりますよね。

 


■イメージを考えて『敬体』を使ったけれど…

さて、タイトルにある
『外見は偉そうだけど、中身は素朴』というのは
私が携わったクライアントさんなのですが、
この『素朴な人柄』を伝えたくて、通例通り敬体で文章を綴りました。

この時は、1枚モノのビラを作っていたのですが、
デザインラフに文字をはめ込んでから、ある事に気づきました。
それは、文章すべてが敬体になっているという事。
そもそも一つの原稿においては、文体を統一させるのが原則ですし、
別に間違いではないのですが、
できれば常体のコンテンツを織り交ぜたいというのが私の想いでした。

その理由はただ一つ。
タイトル通り、残念ながら外見が偉そうだったので、
「人柄の部分に触れるコンテンツ」を
効果的に際立たせたいと思っていたからです。
それからしばらくの間、私は作戦を考えました。

■常体にできるコンテンツがあるのでは?

考えたのは、『常体にできるコンテンツ』
人物イメージを損わないだけでなく、先の通り
際立たせるためにできることを考えたんです。

そこで浮かんだのが、新聞記事でした。

ちょうどビラの中に書く予定だった
行動記録の部分は、新聞記事っぽく書いても差し支えないな、と。
さらには、本当に新聞記事で扱われた出来事について、
原文ママで書くことで、説得力を高めることにもつながったのです。

そうして、自分なりに納得のいく仕事ができました。

常体と敬体。たかが小学校の国語で習う内容と思うかも知れませんが
これを上手に使うだけでも、タイトル通りの文章術といえるでしょ。
文芸作品に出てくるような高尚な表現技法
1フレーズで人を惹きつけるキャッチコピーも大切ですが、
まずは「想いを込めて、丁寧に文章を綴る」ところをしっかり押えたいものです。


■まとめ
常体(普通体)と敬体(丁寧体)はコンテンツごとに使い分ける。
=コンテンツのカラーが分かれ、より効果的に際立たせることができる。

 

-残り7年と232日-