PW05:失敗例に学ぶ、報酬の設定基準
古今東西に関わらず
あらゆる分野において、失敗は教訓を生み出します。
でも、その『失敗』と『得た教訓』を事前に知ることができたならば
あえて同じ失敗をしなくても、教訓を得ることができる訳です。
いつもブログを読んでくださる方へ、
せっかくなので、
私の失敗と得た教訓を書いておきたいと思います。
■こんなに活用するなんて…
私は数年前、無所属の議員さんから依頼を受けました。
主に人物紹介を中心とした原稿で、
リーフレットなど紙媒体に使うということでした。
打ち合わせを済ませ、
私はいつもと変わらず文字数ベースで原稿料を設定。
とくに問題もなく納品を済ませました。
さて、それから数ヶ月が過ぎた頃、
偶然その依頼主のHPを見つけました。
すると…なんと、私の原稿によく似た文章が
こんなところで活用されているではありませんか!
当然ながら著作権は先方にあるので、私は何も言いません。
が、ちょっとショックというか、惜しい気持ちになりました。
こちらとしては、いろいろな展開があると想定して
原稿料も若干割り引いていたんです。
もちろん、このように活用される相手ですから、
案件も1回限りで終わりました。
■「自分が損しない」と後々でも思える報酬設定を
ここでの私の失敗は
- 文字数ベースで報酬を設定したこと
- 次の展開を勝手に期待して割引をしたこと
です。
相手は出版社や編集プロダクションではないのですから、
いろいろな形で文章を活用するのは当然のことですし、
もともと自分で原稿を書くスキルもお持ちですから
頻繁にライターを使うことはないでしょう。
そう、ここで得た教訓は
納品する原稿をいかに活用いただいても納得できる報酬で仕事をする
ことですよね。
ライターの報酬は、媒体や取引相手によって様々ですが、
政治分野の特徴としては
- 打ち合わせが多い
- 具体的な内容やゴールが書かれたメモを提示いただくことが多い
- 必ず何度か修正が入る
- 一度使った文章をいろいろな媒体で活用する
が挙げられます。
一見すると「文字数ベースでリライトする」報酬設定が妥当
と思えますが、実は1と3がクセモノ。
これで、もの凄く時間を取られるんですね。
そうなると、文字数ではなく『作業時間ベース』で報酬設定した方が
引き受けるこちらも気分的にスッキリします。
そして、4をあらかじめ認識しておけば、
変な期待感も生まれませんし、後々何かあっても納得できますよね。
作業時間ベースでの報酬設定って、
なかなか算出するのも難しそうに思えるでしょうが、
概算でいいと思います。
- 取材は何時間でいくら
- 打ち合わせは1回につきいくら
- 修正は何回以上でいくら
と決めておいて、
きちんと『見積もりを出して了承を得る』ようにしましょう。
適正な価格を明示して、最後まで責任を持って仕事をする。
それが信頼となり、次への仕事につながっていきます。
■まとめ
雑誌や書籍の原稿とは違うということをキチンと認識しておくこと。
オススメしたいのは『作業時間ベース』での設定。
もちろん見積もりを出して事前承諾を受けておくことが大切です。
-残り7年と233日-