『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

【電子書籍活用術】就職活動を有利にすすめる「自分本」

「良いコンテンツを持ち、自分で原稿を書ける著者なら、無料で出版できる」システムがようやく出来上がりました。
これにより私個人が期待しているのが、学生の著者さんです。
 
社会人の中には「学生なんて、社会に生きる苦労を知らない」「親に養ってもらって、何が出版だ」なんて意見もあるかと思います。ただ、学生と一口に言っても、心底苦労しながら大学へ通い、学ぶ喜びを感じている学生もいます。現実に葛藤しながらも、夢に向かって努力する学生もいます。置かれた環境も経験も人それぞれであり、私がこの事業で理想とする「社会に役立てる情報発信」ができる方も少なくないと考えています。
 
加えていうならば、学生には「就職活動」という重大イベントが4年間の終盤に発生しますが、ここで「個人で本を出版している」という事実は、武器になるとも考えられます。また、社会に出てからはなかなか確保できない「まとまった時間」を設定しやすい。そんなことを思いながら、今回はブログを書いています。

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◆学生時代に書いておきたい「青春のリアルストーリー」

景気変動や登場する俳優陣次第で人気が左右するものですが、1年に数本は青春また恋愛もののテレビドラマが放映されています。こうした作品の脚本は、すでに青春時代が過ぎて数十年が経過している方だと思うので、リアルとは言い難いのですが、青春時代に対しては一定のニーズがあると考えられます。
 
さて、多くの人は「学生時代に大した出来事はない」というかも知れません。しかし、
 ・クラブ活動や語学、留学、アルバイトなど「全力でがんばったこと」
 ・音楽やゲーム、アニメなど「没頭したこと」
があるはず。
そんな青春のリアルストーリーを、「他の誰かにとって役立ちそう」という角度からまとめれば、いい本になります。
 
役立ちそうなことは、普遍的なものでも、その分野で実用的なものでもいいと思います。そこを中心に、自分の想いやこまかな説明を前後に配置して原稿を書けば、社会に役立つ「自分本」ができあがります。
 ・体育会系クラブ経験者→「毎日●分間練習したことが、就活で役立った」
 ・ニッチな分野の趣味やサークル→「皆が知らない世界観とリアルな現実」
 ・アニメが好きな仲間うち→「体験談から見えてくる周囲の共通した反応」
などの内容や角度から考えてみれば、いずれも面白くて役立つ本になりそうです。
 

◆出版業界・起業家志望なら、ぜひチャレンジを

出版社へ就職して本づくりがしたいなら、私は電子出版を強くおすすめします。「出版社へ入って本をつくる」仕事は、編集職です。この仕事は、著者さんと方向性を決め、原稿を書いてもらえるようダンドリをし、書いた原稿を手直ししてデータに流し込むフローになります。
 
もし自身が本を書いていれば、著者さんの気持ちや苦労がわかるでしょうし、文章の腕も先行して磨くことにつながります。また、出版社にとっても採用する学生が著者だったら、また印象も違うと想像できますよね。
 
もう一つ、起業家志望なら、学生時代から一定の成果が求められますし、ブランディングも必要です。「SNSで何千人もの友達がいる」なんてことをアピールするよりも、本質的にきちんと方向性を決めて、自身の志を本にして伝えることが大切です。
 
文芸の世界では、10代で活躍する作家も一定数います。しかしながら文芸以外の世界では、学生著者がそれほど多く存在しません。だから、今やるべきだと思うんですね。「そうか、本書いてみるか!」と思ったら、ぜひイベントをのぞいて見てください。