『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

「波瀾万丈な人生」は、この角度で書くべきだ!

先日、私の友人がこんな本を出版しました。
 
私としては、彼の波瀾万丈な生き方について、以前からちょくちょく話を聞いていました。
ただ、そのまま自叙伝にしてはヒキが弱いので、難しいかなと。
ところが、そこは出版社が上手に料理をしていて、「転職」という共通のキーワードで仕上げたんですね。
 
さて、私もこれまで何千という方からお話しを聞いてきましたが、
「これ、面白い話だなあ」「すごい体験だなあ」と思う事はしょっちゅうあります。
ただ、それを本にするというのは難しくて、編集経験が乏しかった頃には書店にならぶ本を見ながら、ストーリー展開を悩んだものです。
 
そんな中で私なりにつかんだのが、「共通点をつないでストーリーをつくり出す」という手法です。
 

◆とびっきりのエピソードを5つ書き出し、共通点を探る

 
くり返しますが、抱腹絶倒な話をいくつも収録したからといって、本にすることは困難です。
だってこの話は、人が発した言葉ではなく、紙に印刷された文章だから。
やっぱりストーリーというか、結論に至るまでの筋道を考えなくてはなりません。
 
私はこうした場合、とびっきりのエピソードを5つ書き出し、共通点を探ります。
何が共通点に成り得るのかはわかりません。
必ず出てくる酒なのか、そのエピソードに登場する知人なのか、結論に至る途中の結果なのか。じっくり考える必要もありますが、「何とかしよう」と追い詰められた時に、案外見えてくるものがあると考えています。
 

◆年表を書いて、関連した事項をさらに思い出す

 
共通点が見いだせたなら、今度はさらにその共通点とこれまでの人生を振り返ります。
具体的には自分なりの年表を書いて、もっと関連性の深いエピソードや共通点の発端となった出来事なども思い出せるなら、本文に盛り込んでいきます。そうして順序を再検討すれば、ストーリーが出来上がるのです。
 
自分ごとではありますが、年表づくりも結構時間がかかります。
でも、私としては「これを機に(著者)ご自身の人生を正確にまとめて記しておいた方がいい」と思うのです。

いよいよ2015年も2カ月あまりですが、連休を使って自分の年表を作ってみてはいかがでしょうか。 
また、すでに企画が練り上がってきたら、ぜひ「著者発掘コンテスト」へご応募ください。