『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

3分でわかる!出版企画書の項目&コツ

3日前から告知を始めた「著者発掘セミナー」ですが、早速興味を持ってくれた友人が電話をくれました。
彼は年下ながら、私より物言いに説得力があり、事業に関しても圧倒的な行動力を持っています。コンテストながら、個人的にはぜひ通過して出版を実現させてほしい一人です。
 
さて、その友人は興味があるとは言うものの、最後は「考えてみます」とのひとことが。踏み込めない障壁があるんだろうな、それは何なんだろう。この2日間はそれを考えていたのですが、おそらく「出版企画書って、作るのが難しそう」というイメージがあるのではないかと気づきました。なので今回は、企画書の項目&コツをザッと書いていくことにします。

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◆最低限必要なのは、たった8つの情報

 
前の記事でも書きましたが、出版企画書に記載する項目は下記の8つです。
 ①タイトル(サブタイトルも)
 ②本の概要や出版する目的
 ③章立て
 ④著者プロフィール
 ⑤出版希望時期
 ⑥想定する読者ターゲット
 ⑦既刊されている類書
 ⑧販売協力が得られそうな人脈・団体
 
とくにフォーマットは決まっていませんが、出版を判断する編集者や出版社の関係者は「著者の人となりを知っている」訳ではないので、やはり出版企画書で伝えるしかありません。そんなことも含めると、最低限これくらいの情報は欲しいところです。
 
もう一つ、これはあくまで私感ですが、出版には「何がなんでも本を出して、誰かに伝えたい想いがある」という熱意が必要です。この熱意って、なかなか維持できないもので、「大事な企画書だから、じっくり書こう」なんていうとなかなか完成しません。だから私は「とにかく想いをグッと込めて、1時間で書き上げてください」と著者さんにお願いしています。これも前の記事ですが、「ぼっち企画書」は他人の意見で深みをつけられますから、サクッと作ってから信頼できる人に見てもらうべきなんです。だから、クオリティとかストーリー展開を気にして時間を費やすより、ザッと作ってみることをオススメします。作ってからじっくり書き直す。それだけでも、一旦は書き上げていますから、大きな一歩になるんですね。
 

◆時間をかけるべき項目は「スキマ時間に考える」のがベター

 
さあ、ここからは項目別のポイント紹介です。
 ①タイトル(サブタイトルも)=漠然とした表現や抽象的な言葉は避け、直球なタイトルをまずつけてみる。

 ②本の概要や出版する目的=「社会にとって必要」であることを説得しないと出版できないので、現在または近未来の社会問題やトレンドを盛り込む。できれば統計や調査結果などの数字を具体的に引用する。
 
 ③章立て=仮に5章立てにし、第1章を導入、第5章を結論として流れを考えてみる。必要に応じて章を増減させてもよい。読者が身近に感じる具体的事例、自身の体験を綴っても良い。
 
 ④著者プロフィール=既刊されているビジネス書を参考にして、自分に置き換えて書いてみる。一般的に尊敬されるような経歴や能力、資格、体験も盛り込みたい。
 
 ⑤出版希望時期=自分の好きな時期でOK。ただし、企画出しから出版まで半年程度の期間がかかることを頭に入れておきたい。
 
 ⑥想定する読者ターゲット=基本的に原稿は「誰かひとりのために書く」ことで鋭さが増す。なので、読ませたいと心から思う読者をイメージし、書いていくと明確になる。
 
 ⑦既刊されている類書=自身が希望するテーマの関連ワードをAmazonで検索しながら、類書を探す。ベストセラーがあるという事実は、出版を判断する場合のアクセルにもブレーキにもなるが、調べればわかることなのでキチンと書いておくこと。
 
 ⑧販売協力が得られそうな人脈・団体=「出版したら必ず購入する」というような確約は不要。本の購入やPRについて、概ね応援してくれそうな団体があれば記載する。
上記のうち、①と③は少し考える時間が必要かと思います。私もこれまで何十冊と携わってきましたが、タイトルと章立ては毎回相当の時間を費やします。ただ、これらを「時間を空けて、集中して考える」ということで必ずしも良い発想が生まれるとは言い難いので、私はスキマ時間の活用を勧めたいと思います。歩きながら考えていると、ふとした瞬間に「あっ!」と妙案が浮かんでくるかも知れません。
 
さあ、これだけわかれば出版企画書も難なく書けますね。11月20日開催の著者発掘コンテストで、秀逸なコンテンツが出てくることを念願しています。