『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

風を感じる喜びとライターの仕事。

「フリーライターをやってて、よかったな」と思う瞬間は色々ありましたが、最近感じた事を一つ。
 
それは、作業部屋の窓からスーッと吹き抜ける風を感じた時です。
 
都会の真ん中にあるマンションゆえ空気は良くないでしょうが、爽やかな気分とともにささやかな喜びが心に芽生えます。

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◆感じるのは、ディスプレイから目を離している時
 
作業部屋の窓からは一日中、断続的に風が入ってきています。お客様を迎える商業施設、機密性の高い部屋などではエアコンが必要な季節となりましたが、ありがたい事にこの作業部屋ではエアコンが不要です。そもそもエアコンを設置していないので、本当に暑い時期は他の部屋へ逃げ出しますが。
 
そんな部屋にこもってずっと仕事をしていますが、風を感じる瞬間はそう多くありません。不思議なもので、じっとディスプレイを見ている間は、風が吹いていても気づかないのです。
 
私の場合、仕事時間のうち9割はディスプレイを凝視しています。昔の物書きと違って、原稿用紙は使いません。執筆のための資料も、ほとんどがネット上で拾えます。またクライアントや編集者から送られる資料もメールで、図書館や資料室でさえデータベースで検索してから出かけます。そう、すべての作業はパソコンで完結するんですね。
 
そんな一日の作業において、ディスプレイから目を離すのは
・取材中
・取材時の音声を聴いてメモを確認する時
・紙に出力して校正する時
・請求書など経理作業をする時
・資料整理
といった事ぐらいでしょうか。
こと取材に関しては、相手の目を見ることが大事であり、ディスプレイを見る余裕などありません。
 
そんな作業をしている時は、不思議と風を感じたり、周囲の音や雰囲気が気になったりするものです。
 
 
◆疲れたら・・・脳と心の休憩を
 
私だけかも知れませんが、集中して原稿を書いた翌日は相当な疲れが出てきます。
自分にしかわかりませんが、相手の置かれた境遇やシーン、心情をイメージしながら書いていくので、ものすごいエネルギーを使うのです。最近では、昨年末に書籍原稿を執筆した際、あまりの疲労感で体重が5キロ減少したこともあり、自分で言うのもなんですが、なかなか大変です。
 
ですがありがたい事にライターは、ディスプレイを見ない作業がいくつか存在します。
四方が壁に囲まれたような部屋であっても、一時的に外へ出て取材することもできます。納期に追われ原稿を仕上げても、その後には校正があります。つまり、いつもと違う作業ができ、わずかながら単調さが解消されるのです。
 
それだけでも、疲れ方は変わってきます。さらにはこれら作業で風や緑、花など自然を感じる機会があれば、脳や心を休憩させることもできるという訳です。こうした瞬間に、思わぬひらめきが生まれたり、思い描いてきた事のヒントに気づいたりすることも。脳と心の休憩によって、さまざまなメリットがあるんですね。
 
今日もこのあとは、音声を聴いてメモ確認を。風を感じながら、心おだやかに仕事を進めたいと思います。