『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

『美風景の記憶』が文章表現を豊かにする

先日、某雑誌の取材で徳島県の祖谷に行ってきました。
 
日本三大秘境と称されるだけあって、
目的地は、アップダウン激しき細道の先に。
さらにこの日は大雨で、わずかな晴れ間を待っての撮影となりました。
 

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◆伝えるべき部分について、どれだけリアル感が出せるのか

雑誌、web、書籍などライターが携わる媒体は種々あります。
いずれであっても、紀行文を綴る場合は
伝えるべき部分が、リアルか、それ以上のイメージが抱けるように
表現や使う言葉を巧みに考えて、文章を綴っていきます。
 
とはいえ、案件によっては
「取材なし」「資料なし」「コンセプトおまかせ」という原稿も。

殺風景としかいえない窓がある小さな事務所で、
1人ディスプレイを見つめながらGoogle検索を繰り返したり、
ぼんやり天井を眺めたり、近くの公園を散歩したりしながら、
少しずつイメージを鮮明にさせ、使う表現を吟味して、
どうにかこうにか、原稿を綴っていくんですね。

こうした時に、大事だなといつも思うのが『美風景の記憶』。
これまでの人生で目の当たりにした、様々な地域の風景を脳裏に浮かべ、
直面する原稿が描くべきイメージと重ね合わせながら
ぼんやりとしたイメージに、色と形をつけていきます。
これも、文章を書く上では大事な作業だと思っています。
 
 

◆様々な風景のストックが、名文を生み出す

 
先ほども触れたように、私自身はできる限り多くの情報を揃えて
文章を書いていきたい性格なので、取材如何に関わらずある程度の時間は、
Google検索しつつ、いろんなwebサイトやブログを見て、情報収集します。
 
しかし、どんなに情報が揃っていても
実際に現地へ足を運ばなければ感じられないことがあるのも事実。
例えば、海が見える丘を書くとして、
丘の上に立てば、聞えてくる音、吹いてくる風、
また立つ位置、時間帯によって見え方が変化するであろう風景など
数え上げればキリがありませんよね。
 
こうした感じる部分を書くのも大切ですから、
イメージを膨らませていく訳ですが、
その材料として、これまで自身が見てきた美しい風景が生きてくるのです。
「あの時、こんな感じだった」「ここがキレイだと思えた」など
風景を見た経験が、イメージにつながっていきます。
だから、数多く見ていくことが大事だと思うんです。
 
公私含め、各地に赴くことが多い私ですが、
正直言って、なかなか風景を見るために時間を割くことは難しい状況です。
でも、これからも好奇心をもって
新しい風景と出会えるよう、探し求めていきたいと思っています。
 
-残り6年と310日-