『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

書くだけじゃない、ライターの仕事 ~児童書編~

「最近の子どもは本を読んでない」という意見がありますが、
私の周囲では、自分の小さい頃と同じくらいか、それ以上の冊数を読む
子ども達がたくさんいます。

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そんな子ども達のうち、とくに低学年の頃によく読んでいただくような
学習・知識系の児童書
たまにお仕事として受け、執筆をさせていただいています。
これも独特な作業がありまして、なかなか手間がかかります。
 

 

◆調べる時間=書く時間×2

 
まず、作業手順から。
私の場合は、
監修者のもと複数のライターさんが分担して書くような形で仕事をさせていただきます。
その手順は下記の通りです。
 
1,類似する児童書を読み、書く内容に該当するページから情報を収集
2,wikiこども向け知識・質問サイトから、該当する項目を読み情報収集
3,1や2で得た情報をもとに、書く内容(ストーリー)を組み立て
4,執筆
5,子ども向けの表記になっているか確認(自分&できれば他人)
6,原稿納品
 
見て分かる通り、情報収集の作業が多いです。
かかる時間は書く内容でまちまちですが、およそ書く時間の2倍と見ています。
また、1本600~800字くらいで、私は時間にして1本に60分ほどかけて書きます。
 
5,については、漢字/ひらがなの使い分け正しい送り仮名かどうかの確認、難解な単語の言い換えなど。
読み手の小学生が困らないように、
習っていない漢字を避け、送り仮名は正式なものかを確認し、
そして難解で、聞いていたら誤解を招くような単語は、より簡単な単語に言い換えます。
栽培→育てる、制作→作る、などでしょうか。
 
 

◆変わるのは導入くらい・・・かな?

 
知識系の本ということもありますが、収録する内容、本文に書く中身とも、
何年経とうが、あまり変化するものではありません。
子どもが成長する過程で知っておきたい事項ですから、まあ当たり前といえばそうです。
ですから、1,の作業が必要となってきます。
 
ただ、1,を見てそのままコピーしていまえば、確実にアウトです。
3,の通り、書く前には必ず結論書くべき内容を明瞭にし、
その時代や内容に則した形での導入を考えるのが、コツです。
 
しかし最近では、
収録する内容自体も変化しつつあるようで、なかなか情報がないことも。
例えば、サッカー選手やデジタルガジェットの開発者、
いわゆる文化人系の有名人で、まだ生きている方など。
どう書くか悩むことも少なくありませんが、そんな時は自分の子どもに印象を聞いてみて
イメージを膨らませることもあります。

「そういえば、昔よく読んだな。でも、自分の子どもには読ませてないわ」という方。
内容だけでなく、ページデザインや切り口もずいぶん変わってきましたので、
ぜひ書店で読んでみてくださいねー
 
-残り6年と331日-