『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

物書きが必ず手元に置いている本?

記者経験がある方なら、常識的な話題です。
 
世の中には『物を書く仕事』がいくつか存在しますが、
現役記者記者経験をもつ物書きの方が、必ず手元に置いている本があります。
これはブロガーさんにもお薦めしたいので、書かせていただきました。

記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集

記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集

 
 

◆記者ハンドブックの使い方

 
必ず手元に置いている本、その答えは「記者ハンドブック」です。
会社によって違いはあるでしょうが、
大抵の記者は、新人のうちにこの本を買ったり、支給されたりして、
一度は手にすると思います。
基本はベテランになっても手元に置いておき、何かある度に開きます。
 
ページをめくると、単語とその意味が綴られているだけなので、
一見すれば国語辞典と変わりません。
 
しかし、これは辞典のように意味を調べるのが使い方の主ではなく、
「新聞ならこう表記する」という表記の統一ルールを確認するための本です。
新人の頃は使う言葉一つ一つをこれで確認し、
やがて経験を重ねていくとともに、表記を記憶していく訳です。
 
例を挙げてみましょう。
ちょうど1カ月ほど前、『こども』という表記について
ニュースで取り上げられました。
 
これまでは、供という漢字が「お供え物」をイメージするという理由で、
『子ども』という表記が多かった。
しかし、『子』も『供』も本来使うべき漢字をだから、ということで
『子供』と書くべきだと、急に文科省が徹底しはじめましたんですね。
 
ほか『など』(等、など)、『こと』(事、こと)、『おもい』(思い、想い、念い)など
こうした個人の意思によって表記に違いが出やすい言葉は多数あります。
 
日本には新聞が何紙もありますし、そこに掲載する記事は複数の記者が書きますから、
表記に関しては、統一したルールがあった方が良い。
正確にはわかりませんが、こうした目的で記者ハンドブックがあると、
私は先輩記者から教えられました。
 
 

◆その表記が相応しいかどうかを考えるクセ

 
ブロガーさんも多種多様ですが、原則は個人が自由に綴るものですから、
文章の書き方、使う言葉、表記などは、誰が何を言おうと自由です。
それぞれが独特な書き方をすること自体が、ブログの面白いところなのかも知れません。
 
それでも私が薦めたいのは、
使う表記が、書きたい文章や読み手にとって
本当に相応しいかどうかをじっくり検討することが、
より良い文章を書くことにつながるからです。
 
何年物書きをやろうが、どれだけ原稿を書こうが、表記というものは生涯悩むもの。
でも、そのこだわりが文章の味わいを豊かにし、
より自分の意思を込められる作業だと私は考えています。
 
ブログの1記事、1エントリーに置く価値も、個人差があるでしょう。
でも、自分として「1つの記事でも、大事にしたい」と考える方であれば、
一度は記者ハンドブックを手にとって、
自分の表記を確認する作業をしても、損はしないと思います。
 
このハンドブックは数年に一度は改訂していますから、
新聞社や出版社が多い地域の古本屋さんに行けば、旧版が安く入手できますよ~
ちなみに私は、第9版を今も使っています。
 
-残り7年と17日-