『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

『人生の流れ』は、みんな一緒です

すでに数え切れないくらいの方々を取材してきて、
ふと感じたことがあります。

それは、『人生の流れ』というものが、多くの場合で共通しているということ。
もちろん全く同一ではありませんが、
共通した「起伏」があり、最終章がある。
これを知っておくことは、きっとあなたにとって損にはならないと思いますよ。

 

◆「成功」、「幸せ」の起伏は自然にできる

自分史の制作において、原稿を書き、編集する私たちは、
著者ご自身に発生した人生イベントをうかがいながら、章立てを考えます。
ごく普通にイメージできる
  大学入学、就職、結婚、出産、両親との別離、転職、定年…
といったイベントはもちろん、
ご自身にとってターニングポイントとなる
  引っ越し、人との出会い、会社での一プロジェクト…
なども聞き出しながら、章の構成と役割を考えます。
 
この役割というのがとっても大事なんです。
著者の人生に起伏があった方が、物語としても面白くなる。
だから、章ごとに幸、不幸とか浮き沈みといった役割を考えていきます。
ベタですが、
  不遇な時代→苦労が認められ小さな成功→転機→大成功→大失敗→恒久的な幸福状態
っていう感じでしょうか。

一方で自分史は、人生の歩みを書くわけですから、
ある程度は時系列を守らなければなりません。
でも、
編集側にとってはありがたいことですが、
多くの著者の人生は、ごく自然に起伏が出来上がっています。
本当に不思議なんですが、
人は大抵、 幸福→不幸→幸福 を繰り返すんですね。
これは私がずっと取材を重ねてきて、学び感じたことです。
 

◆次の展開をイメージすると、不安が期待に変わる

こうした人生の流れというか、起伏があるという事を理解しておくと、
多少の不幸が訪れたとしても、
次の展開をイメージすれば期待感も生まれます。
逆に現状が幸福ならば、
「そろそろかな」と油断を排することもできる。

また、こうした人生の起伏を経て、最終章を迎えるころには、
多くの方がハッピーな状態となっています。
幸、不幸は自分が決めるものであるということを
いろんな経験を経て、ご自身で理解されている。
そんな方の人生の最終章は、何がどうであれハッピーです。

まだ若い、元気だといっても、寿命自体は神のみぞ知る世界でしょう。
でも、人生には起伏があり、
最終章にはハッピーになるという共通性を理解していれば
老いて病気になったり、生活に苦しんだりするかもという不安も、
「さあ、どうやって乗り越えようか」、
「これ位苦しいだろうけど、こう報われるようにしたいな」と
ポジティブに考えることができるのではないでしょうか。

そしてもう一つ。
人生にはいつ最終章が訪れるかわかりません。
いつ最終章が訪れてもいいように、
一日一日を大事に生きる。正直な気持ちで人生の選択をする。
多くの著者は人生の最終章において、こうした気持ちで日々を送られています。
これが若い時分からできたなら、
人生における多くのシーンで、もっともっと幸せを感じることができそうです。

ライターという仕事は、「やってて良かった」と思える事って稀なんですが、
こうした人生哲学を、若い間に学ぶ事ができるという点だけは
本当に役得というか、ライターで良かったと思えます。
私はまだまだ未熟者ですが、
こうした人生哲学を学びながら、家族や友人とともに
ハッピーになれたらなあと思ったりしています。
 
 
―残り7年と45日―