『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

フリクションペン命!だが、真夏は断じて使わない。

いまや誰もが知っている文具・フリクションペン(正式名称:フリクションボール、私はこう呼んでいます)。
鉛筆やシャーペンには代替できない、ペン特有の見映え書き味を維持させながら、
いざ、「間違えた!」という場合も「こすれば消せる」という機能性は、
正直どの商品も到達できていない見事な設計だと思います。

冒頭から愛があふれる文章を綴っておりますが、
私は2007年発売当初からのフリクションペンの愛用者です。
でも、真夏だけはフリクションペンを使いません。

こう書くと、お読みの方は察しがつくでしょうが、理由は暑さです。
でも、日常で困った事があったので、
あえてブログに書き、多くの人に「こういう事もある」と伝えたいなと思いました。

パイロット フリクションノック 0.5 ブラック LFBK23EFB

パイロット フリクションノック 0.5 ブラック LFBK23EFB

 

◆気温30度超の京都で起こった、ある事件

あれは2011年、ちょうど今頃だったと思います。
とっても蒸し暑い京都市内を、カメラマンのNさんと歩いていました。
確か、からあげのガイドブックを制作するということで、
東京の某編集プロダクションさんから
関西エリアを委託されての取材でした。
 
気温は30度超の中、炎天下も含む取材が2時間ほどありました。
私はとっさにメモできるよう、
いつもトートバッグの前ポケットにペンを刺していて、
この日も同じスタイルで取材を敢行していました。

さて、事件は2件目の取材時に起こりました。
屋台型のからあげ店だったので、
外のベンチにからあげを置き、
角版タテで撮影するようカメラマンさんにお願いをし、
私はその間に話を聞こうと、ペンとメモ帳を取り出したんですね。

ところが、そのペンが書けない!
何をどうやっても、筆跡は透明なまま
ちなみに、ペンは黒・青・赤と3本入れていたんですが、いずれもダメでした。
仕方ないので、その場は担当者との会話にとどめ、
あとからカメラマンさんにボールペンを借りて、記憶の限りメモを書いた
という話です。
 

◆60度に達した・・・のか!?そして、その後。

ネットなどで調べてみると、フリクションペンは
60度以上で透明になるインクを使っているそうですね。
それにしても、炎天下とはいえ、カバンに入れたペンが60度になるか?
触った時は、「あっ、あったかいな」くらいの感覚でしたね。
でも、インクの色が透明になったんですから、
一瞬でも60度近くまで上がったんでしょう。

それなら、と
帰宅後にはペンを冷凍庫に入れてみました。
書いた文字と一緒で、冷やせば書けるようになるかな、と。
そのまま一晩放置し、翌朝に試してみると、ちょっとだけ書けました。

が、インクの出が不均一になり、
なんとなく書き味が変わってしまいました。
また、何日が使いつづけてみたんですが、
やっぱりインクがかすれたりして、使いづらかったんです。
 
そんな事件から、私は真夏の間だけフリクションペンを使わないようにしました。
書き味なんて、たかがボールペンで、と思われるかも知れませんが、
とっさに文字が書けないとなると、仕事になりませんから。

それからは、カバンに入れておく場所も変えて、
ペン自体が熱くならないようにする工夫もしました。
また、一旦はフリクションペンを使わなくなったりもしましたが、
結局はその便利さと、機能性から、ユーザーへと戻った訳です。
 
要は、どんな商品であっても、
ある程度ユーザー側が使い方を考えなくてはならない、ということですね。
ちなみに、真夏の間フリクションペンは、
すずしい室内の文具ケースでゆっくり休ませています。
 
―残り7年と60日―