『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

PW09:最初の仕事は『リライト3回』で成功する法則

ある人の頭の中だけに浮かんでいる事を、誰が見てもわかる状態に表す。
これがライターの基本的な仕事ですね。
取材をして原稿を書く。
そして相手の趣旨にあわせて修正し納品するのが、基本的な作業です。

こうした事はライターを依頼するクライアントもよく承知していますが、
政治ライティングに関しては、
最初から3回目くらいまで『リライト』という形で引き受けるべき。
いきなり基本形を否定しますが、まずはリライトをおすすめします。

「そんな事を言っても、相手のニーズを叶えるのが最良では?」
と思うでしょうが、ちょっと相手にムリを言ってでも、
リライトから入った方が無難です。
タイトル通り、『リライト3回』で今後の成功を見極めましょう。

 

■3回のリライトで何を見極めるか?

3回のリライトで見極めたいのは、下記の3つです。

  1. 相手のクセ・トーンにあわせられるかどうかを見極める
  2. 自分のテイストを受け入れてもらえるかどうかを見極める
  3. 両者の相性、信頼関係が築けるかどうかを見極める

編集さんがいる雑誌などの制作と違い、
クライアントとの直接契約では、文章すべてをライター1人が担います。
だから、使う言葉ひとつでも
クライアントが文章で使うかどうか、慎重に考えるべきなんですね。
とくに政治ライティングなら、政治家さんや政党などの
「意見を代弁した文章」を支援者や一般の有権者へ伝えていく訳ですから、
最低限1,2は両者合意のもとで書いていくことが必須。

心がけたいのは、たとえ日本語が少々おかしいと思っても
自分のテイストやクセなど「文章での自己主張」は避け、
なるべくクライアントにあわせて文章を綴っていくべきだと
頭の片隅に置き続けておくことが大切です。

また、この場合ゼロベースから起稿すると(大抵は趣旨が明確でないので)
再取材が必要となる場合も経験上、少なくないです。
まずはクライアントにメモや原稿を書いてもらって、
明確な趣旨や話の展開をよく把握して、リライトした方がスムーズです。

 

■リライトは、なぜ3回なのか?

ライターが必要となって依頼が来る場合、
大抵、果たすべき案件の中身は1~2個です。たとえば、

  • ストーリー仕立てのプロフィールとあいさつ文が欲しい
  • これまでの実績と想いをまとめたい

といった具合です。
これら案件は、クライアント側が「とっさに必要」としているケースも多く、
文章のテイストや使う表現、フレーズに違和感を感じたとしても、
納期を優先するあまり、スルーされることもしばしばです。

しかし、その後3回目のリライトをするという事は、

  • 1、2回目の原稿は、最低でも「そう問題ない」と評価されている
  • 前回を教訓に、今回の案件はある程度事前に依頼している(はず)

ということがあって、1回目、2回目のリライトとは少し違った意味を持ちます。
だから、あえてリライトは3回なのです。

こうした条件ものんで、それでも仕事を任せてくれるなら、
きっとこのクライアントとのお付き合いは、長期になります。
どうしてもライターは目前の仕事で良い結果を出そう
焦ってしまいがち。
ですが、まずは最初の3回、リライトという形で
自らの文章の腕を光らせる事が、今後の成功を生み出すのです。

■まとめ
まず最初~3回目の仕事で『リライト』作業として引き受けてみる。
この3回で、いっしょに仕事ができる相手かをお互いに見極める。
それが成功の近道。

 

-残り7年と218日-