『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

PW04:政治家さんの文章は○○が多い!?

みなさんも経験があると思いますが、
職種によって、文章のスタイルや文調に違いがありますよね。
簡単な例を挙げれば、「あてはまるものに○をつけてください」が
自治体だと
該当するものに○をおつけください」に、
フレンドリーさが求められる接客業だと
好きなもの(そうだと思うもの)に○をつけてください」という変化です。

もちろん、政治分野にも独特の文章スタイルがあります。
それが、今回のタイトルでもある『○○が多い』というものです。
ちなみに、答えは2つあります。

 

1,『漢字』が多い

そう、漢字です。なぜなら、政治が関わる制度や法律などの名称がほぼ漢字だから。

私自身は業界紙の編集部で文章の基礎を教えてもらいましたが、
その教わったルールの一つが「漢字を6文字以上続けない」ということ。
理由は簡単で、見づらいからです。

×社会保障制度拡充訴える
社会保障の拡充訴える

上記の通り、表記を工夫するだけで伝わり方が変わるんですね。

ただ法律や制度は、名称だけで漢字6文字を超えることも多く、
どうしようもない部分はあります。
だから、その名称自体を略称したり、言葉の前後を工夫させたりするのが
ライターが担うべき役割であり、テクニックです。

また原稿全体を見ると、漢字の使用が明らかに多いですから、
語尾や言い回しを『あえてひらがな表記にする』くらいの気持ちで
文章を綴った方がいいでしょう。

 

2,『内容』が多い

最近はいろいろなタイプの政治家さんがいますが、
多くの方は、非常に高い学習能力をお持ちなので
基本的にサクサクと文章を書かれます。
言ってしまえば、物を書くだけのライターなら必要ないんですね。

それはともかくとして、
政治家さんは大抵、書かれている文章(原稿)に
めいっぱい内容を詰め込まれる傾向があります。


情熱あふれる想いのまま、文章に綴る
そんな姿勢は政治家にふさわしいと思われるかも知れませんが、
文章として見ると「読者の配慮に欠ける」といえます。
なぜなら、いろんな事を詰め込んだ結果、
主旨や目的が不明瞭になり、とても伝わりにくい文章となるからです。
これは職業ライターもやってしまう失敗ですから、
私自身も常に注意して、納品前の校正にかかります。


一方で、こうした失敗の経験をもち、
かつ冷静に文章を見つめ直すことができるライターこそが
求められていくと考えています。

何でもかんでも、書けばいいというもんじゃない。
「本当に伝えたいことは何か」を明確にし、
鋭い1フレーズで印象づけられる文章こそが、読者の心を動かすのです。

■まとめ
多いのは『漢字』と『内容』。
文章を発信する目的は『相手に伝えること』であり、発信する際には冷静に推敲を重ねることが大切。

 

-残り7年と237日-