PW04:政治家さんの文章は○○が多い!?
みなさんも経験があると思いますが、
職種によって、文章のスタイルや文調に違いがありますよね。
簡単な例を挙げれば、「あてはまるものに○をつけてください」が
自治体だと
「該当するものに○をおつけください」に、
フレンドリーさが求められる接客業だと
「好きなもの(そうだと思うもの)に○をつけてください」という変化です。
もちろん、政治分野にも独特の文章スタイルがあります。
それが、今回のタイトルでもある『○○が多い』というものです。
ちなみに、答えは2つあります。
1,『漢字』が多い
そう、漢字です。なぜなら、政治が関わる制度や法律などの名称がほぼ漢字だから。
私自身は業界紙の編集部で文章の基礎を教えてもらいましたが、
その教わったルールの一つが「漢字を6文字以上続けない」ということ。
理由は簡単で、見づらいからです。
×社会保障制度拡充訴える
○社会保障の拡充訴える
上記の通り、表記を工夫するだけで伝わり方が変わるんですね。
ただ法律や制度は、名称だけで漢字6文字を超えることも多く、
どうしようもない部分はあります。
だから、その名称自体を略称したり、言葉の前後を工夫させたりするのが
ライターが担うべき役割であり、テクニックです。
また原稿全体を見ると、漢字の使用が明らかに多いですから、
語尾や言い回しを『あえてひらがな表記にする』くらいの気持ちで
文章を綴った方がいいでしょう。
2,『内容』が多い
最近はいろいろなタイプの政治家さんがいますが、
多くの方は、非常に高い学習能力をお持ちなので
基本的にサクサクと文章を書かれます。
言ってしまえば、物を書くだけのライターなら必要ないんですね。
それはともかくとして、
政治家さんは大抵、書かれている文章(原稿)に
めいっぱい内容を詰め込まれる傾向があります。
情熱あふれる想いのまま、文章に綴る。
そんな姿勢は政治家にふさわしいと思われるかも知れませんが、
文章として見ると「読者の配慮に欠ける」といえます。
なぜなら、いろんな事を詰め込んだ結果、
主旨や目的が不明瞭になり、とても伝わりにくい文章となるからです。
これは職業ライターもやってしまう失敗ですから、
私自身も常に注意して、納品前の校正にかかります。
一方で、こうした失敗の経験をもち、
かつ冷静に文章を見つめ直すことができるライターこそが
求められていくと考えています。
何でもかんでも、書けばいいというもんじゃない。
「本当に伝えたいことは何か」を明確にし、
鋭い1フレーズで印象づけられる文章こそが、読者の心を動かすのです。
■まとめ
多いのは『漢字』と『内容』。
文章を発信する目的は『相手に伝えること』であり、発信する際には冷静に推敲を重ねることが大切。
-残り7年と237日-