『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

『当事者としての専門性』を乗り越える

今回も専門ライターに関するお話です。

職業ライターとして1年、2年と働きつづけると、
誰もが専門性、いわゆる得意分野を持つことがいかに大切か
ということに気づきます。
発注者からすれば「安心して任せられる」、
ライターからすれば「難なく書けて、自分でも納得できる内容で提供できる」
からでしょう。
でも、いざ専門性を磨こうという段になって、
それは容易でないことに、ようやく気がつきます。
なぜなら、ライターは『当事者としての専門性』を得ることができないからです。

あらゆる分野において、いくら知識を習得し、感覚を掴んでいても
実際の経験に勝るということはありません。
世間でいう専門家とは、その分野を経験した上で、
自分に足りない知識や感覚を学習しつつ、身につけているのです。
この点では、ライターが習得できる『当事者としての専門性』は
ライターという職業か、
少し大きく見て出版業界メディア論といったところでしょう。

それでご飯が食べられれば、別に問題はありませんが、
そんなことができるライターさん、編集さんは
すでに世間的にも有名で、活躍されています。

じゃあ、2013年に生きるライターはどうしよう。
私もここ1カ月余り、じっくり考えました。
それで出てきた結論の一つは、タイトルに掲げた
『当事者としての専門性』を乗り越えるということです。
言い換えれば、当事者でない専門性を見つけて、
それを自分なりに磨いていくこと。
もちろん、他の仕事もしながらですが。

専門性というと高尚な感じですが、
まずは得意分野でいいと思います。
それを見つけるだけでも大変ですが、
いろんな仕事をしていれば、自然と見つかるはず。
ここで必要なのは、新しい分野でも果敢に挑戦する勇気
そして、自分自身の「現状の力」を知っておくことです。
相手に迷惑をかけるような無謀さは不要ですから、
大人としてきちんと自己判断をしつつ、
少し背伸びをしながら仕事をするべき。これは私の持論であります。

ライターなら専門性をもて!
なんて、言いません。誰でも言えるし。
でも、「準専門的」な分野を増やすことは、強くおすすめします。
これはまた次回にまとめます。

-残り7年と272日-