『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

DTPの『5つの苦労』は、ライターが手伝えるかもしれない

普段は「編集-ライター」という関係が多いですが、
チームになると「DTPーライター」という関係も生まれたりします。
これはチーム内に編集さんがいない場合、
少しは知識をもつ(ことが前提だが)ライターが
編集を担った方がスムーズな場合でしょう。

今回のチームでは、リーダーがスケジュールとクライアント確認を担当し、
私が制作物のディレクターをしていたので、
DTPさんとのやり取りは私が一括して行いました。

さて、DTPとお仕事をする中で、私はいくつか学んだことがあります。
その一つは、
DTPの苦労や負担を軽減できれば、その分デザインやクオリティに注力できる
ということでした。
もちろん個人差はあるでしょうが、
ただでさえディスプレイと長時間にらめっこをするDTPさんが
気持ちよく仕事ができるようにすれば、その余裕が制作物に影響するんですね。

私はDTPをかじった程度ですから、まったく同じ立場で苦労を語れませんが、
今回は『5つの苦労』について軽減が図れるよう、お手伝いをしました。
列挙すると、

  1. 素材の収集を一本化する
  2. 制作物についての詳細情報を事前にまとめて伝える
  3. 依頼時点でラフを描いて渡す
  4. 過去に制作したサンプルを用意してあげる
  5. 随時相談し合える体制をこちら側で構築する

という5点になります。
2については、

  • 想定読者や伝えたいメッセージ、意図している目的
  • 印刷する紙の質、モノ/カラー、配布方法
  • 最終工程までのスケジュール
  • クライアントが好むテイストやフォント

といったところでしょうか。

今回のチームでは1人がDTP専属、もう1人が兼職で作業をしてくれました。
専属となったDTPさんは、黙々と作業をする真面目なタイプでしたから、
こちらも負担をかけすぎないようにと、いろいろ考えた結果やったことが
この5点だったのです。

補足すると、3については、
あくまでページ内の素材とおおまかな配置だけがわかれば大丈夫。
(私は絵が下手なので、線と図形しか描けませんでした...)
5については、DTPさんのライフスタイルにあわせて
連絡手段(メールor電話)、作業する時間帯休みの取り具合などを
先に聞いておいて、こちらが工夫しました。
作業効率化はもちろんですが、
休むべきときに休んでもらうという意味もありました。

これも後日に記しますが、
この専属DTPさんは31歳、クライアントが38歳ということで
数々の制作物もイメージに沿ったものになりました。
一方で外注した制作物もあったのですが、
これは少し高齢の方が作られたので、質感が違いましたし
残念ながらコンセプトとメッセージにズレが生じました。
やっぱり年齢も重要なポイントなんですね。

          *
メンバーに心を配る事は大切ですが、
さらに相手の苦労を少しでも知り、取り除いてあげることができれば
なおさら良好な人間関係となり、いいチームができます。
ライターだから文章を書く、というだけではなくて
一メンバーとして、仲間を大切に想う気持ちをもって
少しずつでも学び、具体的に動くことが大切です。


-残り7年と293日-