『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

原稿は『並行書き』がうまくいく!の例外

昨日の記事では、
「いくつかの原稿を並行して書いた方が効率的」という内容を
コチコチ書きました。

それは2年前の取材を機に、これまでやってきたことですが、
最近さらに気づいたことがあります。
それは、『並行書き=効率的』には例外がある!ということ。

たとえば、私の9月某日は、こんな原稿を書いていました。

  • ラーメン店の記事
  • ドライブ情報誌のリライト原稿
  • 訪日外国人向けサイトのコラム
  • 福祉団体の書籍原稿の執筆下書き

もちろん4本すべてを1日で仕上げたのではなく、
キリの良いところまで書いたり、また書き上げてしまったものもあります。
これらは、自分でキリをつけて書けるものであり、
書いてしまえば、次に書く部分へとスムーズに移ることができるから
小刻みに書くことができます。

本題である『並行書き=効率的でない』ものは、
自分でキリをつけられなかったり、
キリの良いところまで書いても、
次に書く部分へとスムーズに移れない原稿です。

これはどういった原稿を指すのかというと、『書籍原稿』です。
書籍は各章、また節ごとに書けそうなものですが、
種類によっては、過去との整合性を何度も検証しながら書いたり、
次に書く部分を想定しながら現在の部分を書いたりと、
「書く+読む」、「書く+考える」の作業を反復して行います。
だから、「ある程度まとめて書く」方が効率的なんですね。

これも例を挙げてみましょう。
「事件Aが発生し、Bという法律が変わった」ことを書くとします。
この時は
Aの経緯→Aの詳細→Bとの関係性→Bを変える必要性→Bが変化する工程→Bが変化したという事実
順に書き進めれば、とくに問題はないでしょう。

でも、さらに読者の方に深く理解してもらうためには、

  • 事件Aが起こった時代背景
  • 事件Aにまつわる人との関係性
  • Bという法律ができた経緯
  • Bという法律が変わったことによる影響

なども、今書いている部分の前後に散りばめていくことが大事です。
こうなると
「今はこの部分だけ書いたから、あとは明日~」
なんて書き方をすれば、明日書くときには
「昨日書いた部分を振り返る」作業が余分に発生してしまうんですね。

これが、結構時間を費やしてしまう。
すでに何冊も書いてしまっている最近になって、
ようやく気づいてしまいました。

書籍原稿はボリュームが多い分、納期は数ヶ月先に設定されます。
だからこそ、日々の執筆計画が大切。
仕事柄、どうしても書籍と他の仕事が混ざってしまいますが、
こうした点も頭にいれて、上手にスケジュールを立てたいものです。

―残り7年と326日―