『40歳の壁』を書け上がる!~30代フリー書籍編集者小田の戦術ノート~

ライターの多くがぶつかる『40歳の壁』。ライターから書籍編集者へとシフトしながら壁を駆け(書け)上がる30代の生き様を綴ります。

出版不況だから「出版しない」は、筋違い。

いよいよ著者発掘コンテストが迫ってきたこともあり、今はいろいろな方へお誘いのメッセージを送っています。
このイベントは、出版したい人にとってはメリットしかないので感触は良好ですが、そうでない方は企画を書面に落とし込むだけでも尻込みされてしまいます。(ちなみに私どもでは、アンケート形式で企画書が作成できるシートをご用意しています)
 
さて、そんな方々を色々なお話をしていると「出版不況だから、本をつくっても意味がない。出版しない」という声も聞きます。こちらとしては本音でお話をいただけることに感謝していますが、その上で「それは筋違いです」と明言しています。何のために本をつくるのか。そこを最初に確認しておくことが大切です。

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◆「本が書店に並んだ」「出版できた」がゴールでいいのか?

つくるモノや原材料、耐久性などで違いはあるでしょうが、多くのメーカーは“需要がなければ、生産をおさえよう”と考えるものです。これを単純に「本」を当てはめたなら、表題にある「出版不況だから出版しない」は正解です。
 
ただ、これは「本をつくる」ことを最終目的とした場合です。多くの人が知っている通り、現代で「本を書いて印税で儲ける」ということは、ごく一部の文芸作家さんや芸能人でなければ成し得ないもの。とくにビジネスに直結させる内容の本を出版した著者ならば、本が書店に並ぶのも、読者の皆様に読んでいただくことも、最終目的の途中にあると思うのです。もちろん、本が売れるに越したことはありませんが、そこばかりに捕われて商機を逃すのはもったいない。著者としてはやっとの思いで原稿を書き上げたところですが、出版をもってようやくスタートラインに着いたようなもので、そこからが正念場なんですね。
 

◆出版による効能は「新規開拓・拡大」だけではない

では、なぜ出版するのか。効能について綴っておきましょう。
一つは従来と同じく新規開拓・拡大というものがあります。書店やAmazonが一つのタッチポイントになり、著者自身が手の届かなかった方(読者)が顧客になったり、ファンになったりしてくれる可能性が期待できます。「自分に代わって営業をしてくれるツール」といっても過言ではありません。
 
しかし、出版の効能はそれだけにとどまりません。
大きなものとしては「ブランディング」と「WHYの再確認」があります。
 
出版は、企画書をつくる工程からスタートします。企画書をつくるには、「本に書きたい内容をどう見せていくか」という考えが不可欠であり、それに沿って章立てを考えます。この考える作業こそブランディングに通ずる部分であり、磨き上げたストーリーこそ良質な作品になっていきます。
 
そして、読者の心を打つ、感動させる部分は「WHY」に秘められています。著者がどんな想いで本を書いたか、いかなる志をもっているか、など「なぜ」の部分を明記し、理解してもらいやすいエピソードや具体例、ニュースとリンクさせていくことで、著者と読者の心の距離がグッと縮まるんですね。
 
上記に挙げた2点はそれぞれ、コンサルタントやプランナー、士業で専門的に取り組まれる方も多いです。
しかし、本は電子であれ紙であれ、一つの形、実体として残ります。ここがポイントなのです。
「今の時点で書きとどめたいことがあるから、出版する」という著者さんがいるのもそうした理由からで、現在を形に残すことで、未来に比較や検証をすることが可能になるのです。
 

◆先を見越して着手するなら電子出版が有利

私は電子も紙も扱う書籍編集者ですが、電子の可能性に期待しているからこそ、電子書籍レーベルと共催して「著者発掘コンテスト」を開催しています。
膨大な紙の本の出版点数を見ていて思うのは、「もはや“新しい”といえるようなジャンル・内容はない」ということ。これは電子も同様と言えるのですが、まだジャンルによってはまだ有用な本が見当たらないということがあります。先を見越しての出版なら、電子が有利だと私は考えています。
 
末筆ながら…
胸に秘めた企画がある方、磨けばコンテンツになるような体験やテクニックをお持ちの方は、ぜひコンテストへご参加くださいませ。3月5日、大阪で開催です!
 

FBイベントページ、「詳細」に書く内容とは?

Facebookでは、イベント開催を告知する「イベントページ」が作成できますよね。
レイアウトは決まっているので、イベント名や場所、開始&終了時間など必要項目を入力すれば簡単に作成できるのが魅力。ですが、「詳細」に書く内容だけは割と悩んでしまうことが多いようです。
 
私も当初は「紙製チラシのリードをコピペする」ところからスタートしましたが、以後は少しずつ改良し今日に至っています。今後も進化を遂げていくことと思いますが、まずは現段階のテキストをもとに、書く内容を考えてみましょう。
 

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◆2016年2月現在、詳細はこう書いています!

ちょうど今は、「第2回 電子で出版!著書発掘コンテスト」の開催に向け参加者を募集しているので、これを引用しましょう。
必要な情報と、掲載テキストを挙げていきます。
 
1,イベントを行う理由(why?)
あなたの想いを「本」にして、なやむ人を笑顔にしませんか?
世界に一つ、あなたが書いた本で「助かった!」「スッキリした!」という人は、必ずいると思います。
胸に秘めたあなたのコンテンツを、ぜひ教えてください。

社会に役立つ良質なコンテンツを、著者負担ゼロでAmazonKindleにて電子出版する「著者発掘コンテスト」。
ご好評の声を受けて第2回目を開催することになりました。
イベントを「なぜ」行うのかという部分ですね。プレゼンではよく使われる展開の順序だと思います。ちなみに私は、「100年後にリアルな現代を伝える」ことを事業ミッションにしています。この“伝える”という部分を重視する理由こそ、誰もが経験したことがあるであろう「一冊の本に人生を救われた」というものであり、それを実現するのがコンテストだと定義づけています。
 
 
2,実績やメリット
共催の大手電子書籍レーベル・金風舎は、
 「本好きのためのAmazon読書術」(和田稔 著)
 「マンガでわかる!タスクシュート時間術<超入門>」(岡野純、佐々木正吾 著)
 「イクメンから教育パパにキャリアアップする方法」(四児の父・あべっかん 著)
など、Kindleでベストセラー作品を出し続ける出版社。同レーベル代表の香月登氏も審査員を務めます!
また、第1回目のコンテスト以降は3名が審査を通過し、現在は発刊にむけ執筆中です。
イベント主催者の実績、イベントに参加することで得られるメリットなどを明記します。これはイベント参加の動機付けにつながる大事な要素ですが、主催者は「これくらい知っているだろう」と思い込んで、書いていないことも多くあります。私も最近までこの失敗をくり返していました。
 
 
3,参加対象者の例
・会社のステップアップにあわせた出版でPRしたい経営者
・何かの専門分野で情報発信したいエンジニア
・困難に直面して学んだことを伝えたい体験者
・志や想い、ミッションを書きとどめておきたい起業家・学生
・一つのことを日々継続し、綴ったブログ記事をキュレーションしたいブロガー
などの皆様、
どんなに良質なイベントでも、「自分には関係ない」と思われてしまったら、まず参加していただけることはないでしょう。もしかしたら、ここまでの①~③で「自分には関係ない(かも?)」と思っているかも知れません。そうした誤解を防ぐために、主催者は「こんな人に来てもらいたい」と明記しておいた方がベターでしょう。
 
 
4,ページ訪問者に「どうして欲しいか」を明記する
まずはFacebookページからエントリーを。
企画書作成が難しい方には、フォローアップ用シートをご提供いたします。また、聴講だけのご参加も大歓迎です!

 これも③と同じで、案外書き忘れている方が多くいます。「参加するボタンを押して欲しい」「メッセージを送って欲しい」「当日来て欲しい」など、求めるアクションを明記しましょう。

 
5,参考リンクおよび概要
第1回目のイベント開催報告はこちら
http://writer-oda.hatenablog.com/entry/2015/12/02/005705

※コンテスト参加費や印税等の一部は、ギニアで貧困問題に取り組むNPO団体に寄付します
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第2回 電子で出版!著者発掘コンテスト【共催:金風舎】
▼概要
日時:2016年3月5日(土)18:30~20:30
参加費:2000円(会場費含む)
会場:コワーキングラボ「Co:Laboなんば」

▼当日の内容
第1部:ガイダンス&講演
「2016年 出版の基礎知識&電子書籍活用術」 講師:小田宏一(シュウ=ライターズインク)
著者インタビュー シルフィーさん

第2部:著者発掘コンテスト
「著者をめざす方々によるプレゼン大会」 ※ご応募いただいた方に10分程度のプレゼンをしていただきます。

▼出版までの流れ
Facebookページからエントリー
②出版企画書をメール(info-shuw@sh70.net)で送信
③事前審査の通過者は、当日プレゼンテーション(10分程度)
④その場で審査を実施し、通過された方は後日打ち合わせ
⑤原稿ご提出
⑥出版(Amazon等で販売)

▼コンテスト応募要件
下記 1~5 に該当していれば、ご応募いただけます。
1,副業を含むビジネス、趣味などご自身のコンテンツをもとにした本の企画。文芸作品はNG。
2,ほかで出版していない企画(類書はOK)
3,他の出版物の権利侵害、公序良俗に反する恐れがない企画
4,ご自身の出版企画が採用された場合、原稿が書ける方
5,コンテストに参加し、自らプレゼンできる方
この部分を見ると、すでにページ内に記載している情報も入っています。効率から考えると省略するという方法もあるでしょうが、私としては「大事な情報なので、あえて記載する」ようにしています。見た方は自身が必要な情報だけを読み取ると思うので、少々長くなっても問題ないと考えています。

6、連絡先

▼送付先・お問い合わせ
info-shuw@sh70.net (担当:小田)

末尾には必ず連絡先を入れます。住所や電話番号、FAX番号を入れる方もいますが、これは募集するために使うツール次第です。ちなみにFacebookのMessengerだとフィルタによって見落とす可能性があるので、私は必ずメールアドレスを記載するようにしています。
 
 
さあ、いかがでしょうか。少しでもご参考いただければ幸いです。
あわせて、2016年3月5日開催のイベント「第2回 電子で出版!著者発掘コンテスト」もご参加お待ちしています!
 
第2回 電子で出版!著者発掘コンテスト
 

絶不調な2月を乗り切る「3つの自己ルール」

 
昨年も記事にした記憶がありますが、
私は毎年のように2月になると、絶不調に陥ります。振り返っても
  ・中学3年のとき=拒食症になり、体重が1か月余で18キロ減。
  ・大学1年のとき=授業に出られなくなり、一時帰郷。
  ・会社員時代=業界紙の記者をしていたので、新年号を書いた後の“燃え尽き症候群”と重なって休みがち。
  ・独立1年目=不眠症になり、昼夜逆転になったことも。
など、いろいろ失敗や苦労を重ねました。どうもこれは、身体のリズムになっているようですね。
 
とはいえ、それでも仕事をするのがプロであり自営業の宿命。もう何年もやってますから、乗り切り方もバッチリとつかんでいます。それが、「3つの自己ルール」です。

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